人材育成の考え方

経営諸科学に関するジェネラル・スペシャリストの育成

社会や企業活動が複雑化し、グローバル化する現代において求められる人材とは、さまざまなレベルでフレキシブルに、しかもいくつかの専門領域を学際的・総合的に視野に入れながら、発想・行動できる人材です。専門性を極めることはもちろん重要ですが、一つの領域への専門性だけでは不十分であり、学際性・総合性をも身につけた「ジェネラル・スペシャリスト」が必要とされています。「幅広い教養をもった専門家」、「核をもったジェネラリスト」などと表現されている場合もあります。本研究科新専攻は、ビジネス及びビジネス社会を学際的・総合的に考察することを通して、問題発見能力や政策提言力、さらには変革マインドを兼ね備えた、経営諸科学に関する「ジェネラル・スペシャリスト」と呼べるような高度専門職業人や研究者を育成しようと考えています。

地球レベルかつ地域レベルでの発想・行動ができる人材の育成

グローバルビジネス専攻は、アジア有数の国際ビジネス都市・大阪を本拠地とすることから、大阪を中心とする地域の主体（プライベートセクターおよびパブリックセクター）の経営戦略や政策立案・評価などを、地域に固有な価値観のみならず地球規模の視点から実行できる人材を育成しようと考えています。現場に密着した地域レベルでの問題を充分に認識しつつ、国民国家の枠組みを越えた地球レベルの発想・行動ができる人材を国際ビジネス都市・大阪から輩出したいのです。

教育課程の特色

前期博士課程

教育課程は共通科目、分野専門科目、分野専門演習科目から編成されています。
教育課程の特色は、経営学・商学・会計学分野の科目を再編成し、学生が各自の研究テーマに合わせて複数の専門知識を総合的に履修できるような科目体系を提示したことにあります。
「経営」「会計」「金融・流通」「産業・地域」といった既存の学問体系に加えて、「戦略経営」「経営情報」「国際ビジネス」「産業創造」「パブリック・環境経営」という今日の社会的ニーズに適合させる形に科目を分類し、たとえば「金融・流通」及び「国際ビジネス」、「会計」及び「パブリック・環境経営」というように多様な履修ができるようにしてあります。
「戦略経営」「経営情報」「国際ビジネス」「産業創造」「パブリック・環境経営」は、それぞれ、既存の学問体系を基礎としながらもこれを超える学際的・総合的な領域であり、複数の専門知識を総合化する上での指針となるものです。従来は、経営学や会計学、金融論、商業論など特定の専門領域についての深い知識を修得させることが大学院教育の特色でした。しかし、本研究科が目指す「ジェネラル・スペシャリスト」の育成のためには、特定の専門領域に加えてその他の専門領域を学際的・総合的に修得させることが必要です。また、これによって新たな学問の創造が可能となるでしょう。

後期博士課程

教育課程は分野専門科目、分野専門演習科目から編成されています。
主として、大学や研究機関に勤務する研究者を育成するため、徹底した少人数、マンツーマン教育をおこないます。前期博士課程で学んだ成果を基礎に、専門分野についてより深く学び、博士論文を作成することになります。学生は博士論文のテーマにふさわしい研究指導教員のもとで、３年間、博士論文作成の指導を受けることができます。また、研究指導教員による指導に加えて、２名の助言教員からも指導を受けることで幅広く複合的な視野を持った人材を育成しようと考えています。